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since 2007.5.21 みかんの歴史 | 戦国カフェ
   
 
戦国特に上杉家、幕末、古代、歴史を愛する日記です。時事問題も多いです。
 
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みかんの歴史


冬に美味しいみかんであるが、みかんを食べていて、書きたくなったことがある。
みかんの歴史である。

 この良く見かける品種、温州みかんである。
温州とはなんぞや?
温州は、中国大陸の南西海沿いにある浙江省(上海の近く)にある地名である。
しかし、温州産のみかんではない。
温州みかんの紀元は、日本の薩摩だそうだ。
 温州に、温州みかんは存在しない。

 英語で、温州みかんは、サツマオレンジである。
英語名が一番正しい、と言うのも可笑しい。

 とにかく、温州みかんは、中国浙江省や黄岩県から伝来していた
みかんの類が、江戸時代初期に偶然発芽したものらしい。
 もっとも、温州みかんは種が少ないので、子孫繁栄の観点から忌み嫌われ、近代まであまり栽培されなかった。 

 それまでは、紀州みかんが良く食べられている。
 中国浙江省から熊本に伝り、15〜16世紀ごろ紀州に移植され、大規模栽培されるようになった。

徳川家康はみかんが好きで、駿府城に紀州から献上されたみかんの木を植えていた。
上杉景勝は、息子の定勝からみかんを送ってもらい、お礼の手紙を書いている。


 みかんは樽詰めで、「蜜柑」と書いた、景勝直筆の文字がはっきりと見える。 
 
 千疋屋ほかで売っている、「八百年みかん」と言うのがある。
なんと樹齢850年の木になるみかんだが、縁起物として食べたことがある。
う〜ん、自分で買うなら、普通のみかん食べた方が良いな。笑

 日本古来種として、「橘」と言う柑橘がある。
京都御所にある、右近の橘のアレである。
 橘がどうやって日本に来たかについては、神話の世界を語らねばならない。
 11代垂仁天皇の御世、田道間守(タジマモリ)と言う人物が天皇に頼まれて橘を探しに常世の国(新羅か?)へ行く。
10年かかってようやく見つけ出し、帰国したが、天皇は既に崩御されていた、と言う話。
 しかしこれより古い、古事記の記述にも、「橘」が見える。

 卑弥呼や邪馬台国のことが書かれた、「魏志倭人伝」にも当時日本では、「はじかみ (ショウガ)、、胡麻、茗荷が自生しているのにその滋味を知らず」とある。
 卑弥呼の時代は、まだ食べていないらしい。


 江戸時代初期には広く栽培が始まったみかん、最後にドラマティックな話をする。

 周知の方も多いとは存ずるが、紀伊国屋文左衛門である。
 紀州出身の紀伊国屋文左衛門の若き日(20代)、紀州ではみかんが大豊作だった。(もちろん紀州みかん。)
 みかんは、江戸に船便で運び売るのが常だが、続く荒らしで船が出せない。
当時江戸では、旧暦11月8日、鍛冶屋の行う鞴(ふいご)祭りと言う祭りがあり、屋根からみかんをまく風習があった。
 大量のみかんが、必要なのである。
祭りが近付き、江戸ではみかんが高騰していたが、海は荒れ、紀州からの船便は相変わらず届かない。

 文左衛門は、船乗りたちを何とか説得して、借金して買った大量のみかんをぼろ船に積み込み、一か八か、命がけの航海に出るのである。
 荒らしに遭い、転覆しそうになりながら、江戸に着き、高値で売れたみかんで、巨万の富を築くのである。

 以上、みかんの歴史を考えながら、大量にみかんを食べてしまったいづなでした。

【2009.12.18 Friday 21:03】 author : いづな薫 
| 日本史  | comments(2) | trackbacks(0)|
この記事に関するコメント
はじめまして。こんばんわ。m(_ _)m
ブログ村からやってきました。
プチ歴ヲタです。

このみかんの歴史
大変勉強になりました。

また、遊びにきます。

失礼します。
| ニャン太夫 | 2009/12/19 6:39 PM |
ニャン太夫様

初めまして、管理人いづな薫です。
この度はうれしいコメント賜りまして、感謝申し上げます。
歴史お好きですかー。
私と一緒ですね。
みかん、結構古いものなんですよね。食べ物の歴史って言うのも面白いです。
ぜひまたお越しくださいね。
首を長くして、ニャン太夫様のお越しをお待ちしております!
| いづな薫 | 2009/12/19 9:09 PM |
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 仕事(技術・研究系)と人と環境に優しい生活を愛する普通の人。
時事問題、歴史、環境、料理、W杯、欧州サッカー、野球、音楽、登山、茶道、語学、刀剣鑑賞。
かつてはドイツ黒い森地方に学究のため在住→東京→北米→東京

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