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since 2007.5.21 春日山城が、はげ山 その2 | 戦国カフェ
   
 
戦国特に上杉家、幕末、古代、歴史を愛する日記です。時事問題も多いです。
 
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春日山城が、はげ山 その2
 いつも熟睡する私が、昨夜は春日山城のことが心配で寝られなかった。

昨日から今日にかけて、メールやコメントを多々いただいた戦国カフェ読者皆様には、大変感謝申し上げます。
 皆様、少なからず衝撃を感じていらっしゃる。
読者様&お友達は、歴史が好きで造詣も深く、当然と言えば当然である。
 
今回の「春日山騒動」で、思い出したことがある。
明治初期、廃仏毀釈(はいぶつきしゃく)と言う現象が、日本にあった。
宝物を含む仏像・仏具が、公然と破壊されたのである。

その時の、奈良興福寺の堂内の写真を見たことがある。
今、大人気の阿修羅は、あの優美な腕が2本ボッキリ折れたまま修理もされずに放置
されていた。(折れたのはもっと前の説あり。)

興福寺は、春日大社と合併され、僧侶は神主になった。
興福寺の五重塔は、わずか25円で売り出されている。
文化財的価値は考慮されず、材料の材木と金具の値段が付けられた。

姫路城は、23円50銭だった。(今の金で20万位。)
神戸清一郎と言う人物が、風呂の薪(たきぎ)か瓦に使うためで、落札したが、解体が大変なので、引取りを放棄している。

 大阪に、蘭学医緒方洪庵の適塾という建物が残る。
橋本左内、福沢諭吉、大村益次郎など、偉人を輩出した塾である。
これが、大正年間に、道路拡張のため、建物が一部切り取られた。
道路のため、文化財を壊したのである。

 満足に食べられない時代は、文化財は大切にされない。
明治初期、日本は世界の中でも貧乏国で、外貨獲得できるものは、生糸と美術品ぐらいだった。
 江戸時代末まで伝わった宝は、ずいぶんと海外に流出してしまった。
 太平洋戦争後、また宝物は離散する。
 日本人は食うか食わずのゼロからスタートし、現代はようやく宝物を大切にし、鑑賞できる時代なのである。
 文化財の維持は、平和と暮らしの豊かさが不可欠である。
 その豊かな現代で、史跡を作り変える事業を決めたことに私は驚愕した。

 文化財は、大きく分けて2つある。
古文書などの文字資料と、物史料である。
人の記録した文字は、内容は膨大だが、残念ながらすべてが真実とは言えない。
しかし、物史料は、裁判における物的証拠にあたり、真実は動かしがたい。
 春日山城跡は、謙信時代の遺構(物的証拠)は土塁くらいしかない。
だからと言って、大規模に工事するのは如何なものだ?!

 ちょうど480年前ここに、謙信が生まれ、生き、その
波乱に満ちた生涯を終えたのだ。


 私にしてみれば、土一握り、草一本愛おしい感じがする。
 
 もし、春日山城跡が国宝や重要文化財なら、このような問題は持ち上がらなかっただろう。
 残念ながら、城跡は、国宝や重要文化財の指定対象外である。

 国宝や重文でなくても、春日山城は守るべき文化財である。
壊してしまったら、取り返しが付かない。
遠い年月を経た文化財は、人々の努力と偶然の幸運が重なり合い、今、奇跡的に見ることが出来るのだ。
 私たちは、今あるものを壊さず、次世代に伝えねばならない。
  
 北陸新幹線開通に合わせ、客寄せのために、史跡を壊すことは、長い目で見れば特にはならない。
 新幹線開通ブームは、一過性だ。
 
 私は、あちこち史跡を歩いているが、交通の便の良くない所に、極めて保存の良い山城があったりする。
 開発して壊すなら、永久に春日山城を忘れ去って欲しい、と思った。

【2010.04.22 Thursday 23:24】 author : いづな薫 
| 春日山問題 | comments(7) | trackbacks(0)|
この記事に関するコメント
今参り様

本日はおせわになりました。春日山事件で、相当へこんでたので。笑。

>「跡しかないけど、戦国時代ってどうだったのかな〜って、イマジネージョンをかき立てられますね〜。」って。そして、「ここには、心で感じとる絶景があります」と。

 そうそう!
そして、史跡名所である以上、史跡として保存しなきゃいけないんです。
新幹線が通ろうが、建物がなくてつまんないと言う人がいようが、保存しなきゃいけないんです。
歴史的遺物とはそういう物ですね。
| いづな薫 | 2010/04/23 10:26 PM |
前日のコメントに返信いただき
ありがとうございました。

春日山城が昔はげ山だったら
木をみんな切っちゃうんだという理屈だと

米沢城には昔
観覧車のある遊園地があったから
大観覧車つくるんだ

というのも有りになるかも
(実際にはあり得えないのでしょうが)


あと笑われそうですが
木を切られてしまって
ウグイスやヒグラシ(姫春かな)は
どこかに引っ越してしまったのでしょうか
| 名無し | 2010/04/23 11:55 PM |
おはようございまーす。

出張へ行ってたのでお邪魔するのが
おそくなりました。

僕のような部外者が言うのは
おこがましいですが…
いづなさんの記事を見て
思ったのが…
「行政の方々は何がしたいのか?」です。

観光資源として
開発するのはわかります。
しかし、
歴史的価値からみても…
自然環境からみても…
中長期的に見て、不利益のように思えます。

一地域利益と短期的利益だけではなく
もう少し大きな器で…
日本の利益として考えていただきたいですね。

| ニャン太夫 | 2010/04/24 6:00 AM |
ニャン太夫様

コメント感謝申し上げます。
御出張お疲れ様です。

ニャン太夫様のご意見、大変ありがたく拝見いたしました。
本当にありがとうございます!

>歴史的価値からみても…
自然環境からみても…
中長期的に見て、不利益のように思えます。

仰るとおりです。
JR東日本は、上越の駅にすべての新幹線を停めないと言っています。
 集客数は見込めず、あとには、破壊と箱物が残るだけですよね。

>日本の利益として考えていただきたいですね。
 
 本当にそうです。
へこんでいたいづな、ニャン太夫様のおかげで元気になって参りました。
 感謝いたします〜。
| いづな薫 | 2010/04/24 11:07 AM |
こんにちは!
言いたいことは、皆様おっしゃっておられるし、部外者が立ち入る雰囲気ではないような気がしまして、遠慮しようかと何度も思いましたが、「できれば」というお言葉を頂戴したのでお邪魔します。
先日、米沢と仙台を旅して強く感じたのは、そこにおられる方が「自分のとこの殿さま」と「わが街の歴史」に、尊敬の念をお持ちであるということでした。旅行中、司馬先生もおっしゃっておられた、歴史に対して謙虚な気持ちを持つ、というごくごく当たり前なことが自分には欠けていたという、恥ずかしい気持ちでいっぱいになっておりました。今でも、その思いは消えてはおりません。

こちらでの皆様のお話をお伺いしても、皆様、歴史に対して謙虚な気持ちをお持ちで接していらっしゃる、そう感じました。春日山を今日まで謙信公のいらっしゃったところとして、地元の方が敬い、訪れた方もまた尊敬の念を持って接してこられたから、だから今まで残ったんだと思う。
史跡として残るということは、単に古いから残るんじゃないんです、必然というのがあると思っています。だから、訪れた人々の心を打ち、敬われるんですよ。そして、今伝わっている形すべてが、歴史であるというのが、私の認識です。

いづな様、メールにて教えていただいたところへ、私も越後という地で行われようとしている暴挙に対して、反対の意思を伝えていきたいと思っております。ちいさな力ですが、どれだけ頑丈な堤防も、蟻が造った道で崩壊することもあるんですよ。あきらめずに、頑張りましょう。
では、長々と駄文、失礼しましたm(__)m
| sayuri | 2010/04/24 5:31 PM |
sayuri様

いろいろ、ご協力ありがとうございます!

>言いたいことは、皆様おっしゃっておられるし、部外者が立ち入る雰囲気ではないような気がしまして、遠慮しようかと何度も思いましたが、

 部外者じゃないですよ。笑、誰がですか。sayuri様は同志です。笑

>旅して強く感じたのは、そこにおられる方が「自分のとこの殿さま」と「わが街の歴史」に、尊敬の念をお持ちであるということでした。旅行中、司馬先生もおっしゃっておられた、歴史に対して謙虚な気持ちを持つ、

 そういう方達が大事にしてこられた遺跡、宝物を大事にして次の世代に伝えないといけないですよね。
 sayuri様は、十分歴史に謙虚で立派なお考えをお持ちです。そう感じます。
 
>単に古いから残るんじゃないんです、必然というのがあると思っています。だから、訪れた人々の心を打ち、敬われるんですよ。そして、今伝わっている形すべてが、歴史であるというのが、私の認識です。

 いい言葉ですね。いづな忘れません。
私も声を上げて反対したいと思います。さらに何が出来るか模索している所です。
 良き案があれば、ご伝授下さい。
| いづな薫 | 2010/04/24 10:05 PM |
名無し様

こちらこそコメント賜りお礼申し上げます。

仰るとおり、おかしな理屈です。
大木を伐る事自体、環境面から考えても良いことではありません。災害が起きそうです。

米沢には、観光のお客さんがたくさんいらしています。
本物の史跡や宝物があり、それを長い間、大事に守って下さった米沢の皆様のおかげだと思います。

| いづな薫 | 2010/05/05 5:59 PM |
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 仕事(技術・研究系)と人と環境に優しい生活を愛する普通の人。
時事問題、歴史、環境、料理、欧州サッカー、野球、音楽、登山、茶道、語学、刀剣鑑賞。
かつてはドイツ黒い森地方に学究のため在住→東京→Toronto

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