大河ドラマ 龍馬伝 幕末 古代 上杉
since 2007.5.21 「ハーバード白熱教室 in Japan」 | 戦国カフェ
   
 
戦国特に上杉家、幕末、古代、歴史を愛する日記です。時事問題も多いです。
 
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「ハーバード白熱教室 in Japan」
マイケルサンデル教授のハーバード大学inJapan、大変楽しませていただいた。

イチローの稼ぎが、オバマ大統領の42倍。
イチローはその収入に値するか?これが最初の議題。

値しないと言う人の発言
  チームの一員としてプレーするだけ。
  オバマ大統領は、アメリカ国民すべてへの責任を負っている。

値すると言う人
  オバマのしていることは、お金を払ってまで見たいものではない。
  イチローは皆を楽しませているので、収入に値する。

先生 
  では、富の再分配についてはどうか。
  イチローやビルゲイツなど裕福な人に高額な課税をし、貧しい人に再分配するのはどうだろうか?

聴講者たちの意見
 イチローは高額な税金を払っても痛くもかゆくもないが、再分配によりより多くの人を幸せに出来る。
 巨額の富を残しておくより、多くの人の幸福が増す。

 

成績が今イチな学生が、東大に入ろうとする。親が裕福で慈善家で、44億円を学校に寄付するという。
 新しい図書館や実験室、暑い日に入れるプールが出来るかもしれない。
 この学生の入学を、認めるべきか?

反対派のAさん
 助かるのは、その学生だけ。社会の公正さは害される。
東大は公立学校なので、公正、平等が重視される。
 
サンデル先生
 では、その倍の88億円ならどうだ?

Aさん
 金額の度合いが大きくなればなるほど、不公正の度合いが大きくなる。

私もこれには賛成だ。
利潤追求もする私立ならあることだが、国立大学では自分の学生経験からしてもありえん。
余談だが、学生は、お金のかかることに以外に価値を見出せる、いい期間なのでないか。
学内設備なら、歴史ある古いキャンパス、たくさんある自然生の大木に価値を見出したのを私は記憶する。

賛成派のBさん
 その学生が1人入ったからとて、他の優秀な学生が落ちるわけではないから、良いと思う。
 


次にサンデル先生は、ハーバードでも同様の問いかけをした内容を話し始める。

「君がもし東大の有名な教授で、弟は暴力団で重大な犯罪を犯したとする。警察の捜査に協力するか?

 これは先生がかつて紹介した、アメリカで実際あったバルジャー兄弟の話だ。
兄ビリー・バルジャーは、米マサチューセッツ州議会議長を勤め、マサチューセッツ大学の学長でもあった。
弟ワイティ・バルジャーは、ボストンのギャング・リーダーである。
弟は幾つかの殺人事件に関与し、FBI最重要指名手配リストに載る。
 兄は、連邦検事の質問索に「弟を捕まえようとする人に、協力する義務はない。」と答えた。

Cさん 「社会の他の人に対し、犯罪を犯すのは家族のメンバーとして許せない。」

Dさん「弟が10人殺しても通報しない。家族を信じることが出来なければ、社会を信じることも出来ないから。」
 
私は通報だな。ごめんね弟、笑。
場合によっては幇助罪になるし。サンデル先生は法的ではなく道徳的な答えを聞いているが、それが日本という法治国家の通念(ルール)であり、それを犯してはこの社会を生きられない。



 さて、次のテーマは戦争責任
1930年代、第二次世界大戦時代の東アジアに対し犯した過ちを、公に道徳的に謝罪する責任があるか?

NOの人
 過去の罪は歴史として認識すべき。しかし、前の世代の責任を負う必要はない。いつまで謝り続けるのか?

YESの人
 相手が痛みを忘れるまで。世代が代わっても責任がある。

サンデル先生
 広島、長崎の人に対する謝罪、日本とアメリカ相互の戦争に対する謝罪はあるべきだと思うか?
 現世代のアメリカ人に、原爆投下に責任はあるか?
オバマ大統領は謝罪すべきか?

Fさん
謝罪すべきではない。
謝罪は、被害者と加害者の間ですべき。オバマ大統領は、直接の加害者ではない。

Gさん
いつどこに生まれかは、選べない。
道徳責任は、自らの意思で選択した場合、責任を持つべきである。

先生は、仰る
 大きな問題が定義された。すべての道徳責任は、選択と意思から生じるものなのか?
 例えば、親が、近所の家を全焼させてしまったら謝罪し、賠償する責任があるのか?
 子供は、焼いてはいないのに?

Hさん
 戦争は世代を超えても、責任はある。会社は、担当者が代わっても責任はある。
 国はコミュニティー。コミュニティーが続く限り責任はある。

先生
 オバマ大統領は、原爆投下を謝罪すべき?

Kさん
 オバマ大統領が核の脅威を失くそうとするなら、過去の過ちを認め、新しい世界を作るリーダーになり得る。

先生
 原爆投下は、日米相互謝罪であるべきか?、戦争自体に対する、日本のリーダーの謝罪を含むものであるべきか?
 
 先生は、仰る。
我々は異なる意見、宗教的価値観のグローバル社会に生きている。
世界には多様な価値観があり、正義を見直す時期なのである。



今まさに起きている、日中関係がまさに当てはまる。
中国の反日感情は、自国政府への批判が別の形で現れているとも言える。
中国政府が親日政策をとれば、国民は親日に転び、反日になればそちらに転ぶ傾行がある。
日本側も、冷静に中国政府及び国内外事情を見極めることで、本質が見え、解決策も見えて来る。

反日感情について思うことがある。
例えば、かつての敵国アメリカと、日本の間に、反米感情は少ないだろう。
これは、戦後教育の成果である。
 良好な日米関係を、そのまま、1930年代および第二次世界大戦中における日本と、被害を受けたアジアにあてはめる事は出来ない。
 しかし、我々の先人達は、今よりもっと困難な状況を乗り切って来ている。
幕末の薩摩と長州、殺しあってしまってもなお、結果的には日本の未来のために、わずか1年半後に同盟を組んだのである。
 地球と人類の未来のために、互いを少しでも深く知り、日中の解決策を切に望む。

【2010.09.28 Tuesday 14:36】 author : いづな薫 
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この記事に関するコメント
★「正義」という言葉ほど、現在の日本に重くのしかかる言葉はないでしょう。「正義」の番人であるはずの、検察庁の検事らが逮捕されるという異例の事態に言葉が見つかりません。また、日中との外交関係においても、つくづく「正義」のあり方を考えさせられました。
 
 いったい、「正義」とは何なのか?日本人のみならず、世界の人々がそのスピリッツを真剣に模索しはじめたのではないでしょうか?そうでなければ、グローバル化された世界は偏狭で排他的なナショナリズムが台頭し、再び国家間の紛争が始まってしまうのでは、との予感が人々の胸に去来してきているのでしょう。

 まさにマイケル・サンデル先生は、「救世主」的な存在として登場したかのように思います。(偶然ではないですね)
 サンデル先生は「正義」を大きく3つのカテゴリーに分けています。
  .献Д譽漾次Ε戰鵐汽爐里い錣罎觚利主義
      〜費用対効果をいかに図るか〜
  
  ▲ントの個人主義の権利の尊厳を尊重
      〜個人の権利こそ最大限尊重されるべき〜  

  アリストテレスの共通善
      〜社会の共通の善を目的とすべき〜

  東京大学でも議論されたように、金持ちの子息が入学すると44億円、いや88億円寄付するという命題に賛否が分かれました。しかし、額が巨額になると「例外もありうるのでは」という意見も出されましたね。

 いわゆる「正義」と「私欲」は、対極にある関係と言えます。
人間ですから、目の前に美味しい果実があれば食べたいし、苦しみからは逃げたいし、楽をしたい。でも、それを続けていくと必ずツケが返ってきますし、犠牲に・代わりになる人がいなければ成り立たないという局面を必ず迎えます。
 「ストイシズム」(禁欲的)は、時としてペシミスティックとも取られがちですが、要はバランスの問題でもあるかと思います。その点、日本人のバランス感覚は世界的にも秀でていると確信します。いわゆる、何を「美」とするかという「美意識」とも深く関わっているとも思います。

 力のある者が、弱き者をいじめていいのか?
 勝つためであれば卑怯なことをしてでも勝利をしていいのか?
 
 西洋と日本で、一番大きく異なる「正義」の見解でしょう。


★やはり大事なことは理論ではなく、どれだけ身をもって実践できるかということでしょう。
 人が人であることを忘れた戦国時代に、唯一、人として最も気高い「義」を貫き、生涯を全うした武人がいたということを、いま、あらためて誇りに感じます。何百冊の書物よりも、価値のある生き方に、今こそ見習うべきでしょう。

 また本日、いたずらに齢を重ねてしまった、つれづれなるままに長々と失礼しました。
                        義太郎拝
| 越後義太郎 | 2010/10/07 7:48 PM |
義太郎さま

いつもお世話になり、誠にありがとうございます。

>検察庁の検事らが逮捕されるという異例の事態に言葉が見つかりません。また、日中との外交関係においても、つくづく「正義」のあり方を考えさせられました。

 同じくです。
公正・正義でなければならず、且つ公訴権を独占する検察の失態には驚かされるばかりです。
事件を作り出せば、出世につながるシステムが、そもそも間違っています。
 現在の中国に関しては、本当に難しいですね。が、中国も近い将来民主化は避けられないと思います。
 
>「正義」とは何なのか?日本人のみならず、世界の人々がそのスピリッツを真剣に模索しはじめたのではないでしょうか?

 人類は皆、国や社会と言うコミュニティーを背負って生きていますが、昔と違い、現在は便利な交通、通信で簡単に世界がつながります。
 より、グローバルな正義が求められていますね。

>まさにマイケル・サンデル先生は、「救世主」的な存在として登場したかのように思います。(偶然ではないですね)

 みんなが望んだ人が、必要な時に社会に現れる、と言うことですね。私たちのお屋形さまもそうでしたね。

>サンデル先生「正義」を3つのカテゴリーに分けています。
  
 先生の授業は、新しいことを覚えるのではなく、昔の哲学者が唱えたテーマを元に、みんなに再考を促すものですね。
 古代のアリストテレスから近代まで、交わされた政治哲学の議論を現代の問題に当てはめ、私たちは如何に答えを出すべきか問うています。
 まあ、答えは出ないんですけれど。笑
しかし、その答えである日々日常を私たちは生きています。
 
>いわゆる「正義」と「私欲」は、対極にある関係と言えます。

 お屋形さまは、私欲を捨て、義に生きましたね・・・。泣
普通の人でも、品良く生きるためには、ある程度、自己を律することが必要です。
 義太郎様仰る所の、「バランス」が必要です。

>日本人のバランス感覚は世界的にも秀でていると確信します。いわゆる、何を「美」とするかという「美意識」とも深く関わっているとも思います。

 昔から日本人が大事にしてきた、”精神の美しさ”が肝要でしょう

>勝つためであれば卑怯なことをしてでも勝利をしていいのか?
 
 ワールドカップで、同様の考えさせられるシーンがありましたね。
 
>また本日、いたずらに齢を重ねてしまった、

お誕生日、おめでとうございます。
これからも義太郎様にとって、より良き毎日となりますよう、祈念しております。 
| いづな薫 | 2010/10/08 1:19 PM |
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時事問題、歴史、環境、料理、欧州サッカー、野球、音楽、登山、茶道、語学、刀剣鑑賞。
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