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since 2007.5.21 ノーベル平和賞、を考える。 | 戦国カフェ
   
 
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ノーベル平和賞、を考える。
今年のノーベル平和賞が、中国の民主活動家、劉暁波(りゅうぎょうは)氏に授与されることで、中国政府の
反発が続いている。

中国にはこれまで、ノーベル賞受賞者は1人もいなかった。
中国系の人はいたが、みな他国籍を取得、または亡命するなどして、国外に出てしまった人である。

 昨今、大国となった中国は国際的な名誉であるノーベル賞を熱望している。
 現在中国政府が投獄中の、劉暁波(りゅうぎょうは)氏の受賞以外で。

 ノーベル賞設立の由来を、少し触れる。
スウェーデン人で、ダイナマイトを発明した、アルフレッド・ノーベル(1833−1896)の莫大な遺産を基金に作られた賞である。

 その意義は、「人類のために、最も大きな貢献をした人に贈る。」である。

ノーベルは生前すでに、100ほどの工場を経営する大富豪であった。
しかし、独身で子供がいなく、その大いなる遺産を、”人類のために、最も大きな貢献をした人に提供する”と遺言したのである。
 100年も前の話だが、資産は信託財産として管理運営され、今でも巨額の賞金を生み出している。
 信託財産:委託者が、資産を信用の置ける受託者に託し、受託者は自己の名義で、委託者が定めた、一定の目的に従い運用を行う財産のこと。

 ノーベル賞は、文学賞、物理学賞、化学賞、医学・生理学賞、平和賞の6つ。
 このうち、先の5つはスウェーデンで決められるが、平和賞のみノルウェー国会であるストーティングが任命する独立委員会が決める。

ではなぜ、ノーベル平和賞のみノルウェーなのか?
ノーベルが遺言した時点で、スウェーデンとノルウェーは同じ君主を戴く連合国関係にあった。
 またノルウェー国会ストーティングは、国際紛争が起きた時、戦火を拡大させないため、調停、軍縮を旨とする活動を行っていたことにある。

 平和賞初代受賞者には、赤十字社を設立したスイスのアンリ・デュナンがいる。子供の頃、伝記で読んだな、笑。

 今回、日本の根岸教授と鈴木教授に化学賞が授与されることは真に喜ばしい。

 さて話題の、中国の民主活動家、劉暁波(りゅうぎょうは)氏の平和賞受賞である。

 中国外務省の報道局長は、「劉氏は、中国の法律を犯して懲役刑を言い渡された罪人だ。」と述べている。
 共産党機関紙発行の「環球時報」は、「ノーベル平和賞は西側の利益のための政治的な道具に成り下がった」と言っている。

 ニュースを遮断し、「劉暁波」、や「平和賞」とネットで打ち込めば、通信が途切れるのは周知のごとくだ。
 民主化デモを戦車で踏み潰した、「天安門」と入れても同様だ。 
 政府が、厳しい情報統制を敷いている。

 現代の、焚書坑儒である。
焚書坑儒(ふんしょこうじゅ):中国、秦王朝で発生した、思想弾圧。書を燃やし、儒学者を生き埋めにする。

 中国は、われわれ法治国家とは全く違う価値観で動いている。
 ノーベル賞を切望していながら、都合の悪い人に授与するとなると、政治的圧力をかける。
この、国家ぐるみの小児性は一体なんなのだ。
 「ノーベル平和賞は、元来政治色の強いもので、圧力は屈しない。」とノルウェーは言っている。
 ノルウェーのノーベル平和賞に対するゆるぎない精神は、最近に始まったことではない。
 70年ほど前、ナチスに拘束されていた、ドイツの反戦ジャーナリストに同賞を授与している。
 ヒットラーは激怒し、2年後ノルウェーを占領し、ノーベル賞委員会のメンバー全員逮捕したという。

 ノルウェー・ノーベル賞委員会は、2010年2月、劉氏の有罪判決が確定した時点で、
ノーベル平和賞を授与することを決めたと言う。
 真に、溜飲の下がる英断である。

私は、ノーベルを生んだスウェーデンに少々縁がある。知人もいる。
 社会の協調性を重んじ、静かで礼儀正しい国民性は日本人と似ている。
距離的に近い中国より、精神性ははるかに近い感じがする。

 世界には多種多様な民族、価値観で構成されているが、人類共通の普遍的価値が存在すると、私は信じる。なくてはならないことだ。

国力が増せば、他国との付き合いも緊密になる。
国際社会の議論の対象となり、批判にさらされることもある。
中国も民主化、人権の尊重、言論の自由を認めるべきである。
今までのような、漢民族以外の少数民族、異なる宗教、思想への迫害は改善せねばなるまい。
国際社会において、自分だけの価値観を押し通してはやっていけないのだ。

 賞を受賞したからと言って、民主化が急激には進まない。
中国国内では、劉氏の活動や、平和賞受賞をすら知らない人が大勢いる。
 劉氏はいまだ刑務所の中。その家族や知人は、行動を起こせば身の安全を保障できないと、政府から通告されている。
しかし、国際社会で大国として名乗りを上げるなら、中国は今回の平和賞受賞を重く受け止めねばならない。

人類のために、最も大きな貢献をした人に栄誉を贈る。

これは、人類共通の普遍的な価値である。

【2010.10.12 Tuesday 08:09】 author : いづな薫 
| 政治&時事問題 | comments(2) | trackbacks(0)|
この記事に関するコメント
いづな先生、失礼致します^^!

今回の先生の御話、実は下拙もこれらの中国のやり方には常日頃から憤っていた次第にて、まさに全身鳥肌が立つほどの心持ちにて閲覧させて頂きました!

>国家ぐるみの小児性

まさに至言にて御座候。

下拙も先生同様に、数ある国々の中で中国ほど
"近くて遠い国"
は無いと思います。
この間の、日本に対する尖閣問題での"当たり屋外交"しかり!

委員会は何の遠慮もせず、むしろ嬉々として劉殿にノーベル平和賞を与えるべきであると思います!

明治天皇の御代、我々同様にお隣さんに辟易した福沢先生が仰られた"脱亜入欧"の心、日本人は決して軽んじてはならぬと思います!

いづな先生、熱く義が貫かれた今回の御話、下拙、深く深く感動致しながら閲覧致しました^^
心より感謝致します!

誠に、誠に有難う御座いました^^!

−次郎左右衛門−
| 次郎左右衛門 | 2010/10/12 11:52 PM |
次郎左右衛門さま

いつもコメント賜り、感謝申し上げます!

>委員会は何の遠慮もせず、むしろ嬉々として劉殿にノーベル平和賞を与えるべきであると思います!

 まったくです。
中国駐在ノルウェーの大使を中国政府が呼びつけて、抗議をしたそうですが、ノルウェーはビクともしないでしょうね。

>熱く義が貫かれた今回の御話、下拙、深く深く感動致しながら閲覧致しました^^
心より感謝致します!

こちらこそ、次郎左右衛門さまには、いつも話題にお付き合いいただき、心より感謝申し上げます。
 次郎左右衛門さまと同じ思想を持つことを、嬉しく思います。
これからも、何卒よろしくお願いいたします。
| いづな薫 | 2010/10/13 9:08 PM |
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 仕事(技術・研究系)と環境に優しい生活、家族を愛する普通の人。
時事問題、歴史、環境、料理、サッカー日本代表、欧州サッカー、クラッシック、登山、茶道、語学、刀剣鑑賞。
かつてはドイツ黒い森地方に学究のため在住、今東京/Tokyo

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