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since 2007.5.21 岩崎弥太郎の最期 | 戦国カフェ
   
 
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岩崎弥太郎の最期
岩崎弥太郎、波乱に満ちた生涯だったが、その最期の時も壮絶だった。

 死因は、胃がんである。

明治14年(1881)大酒と美食、ストレスゆえか、胃の不調を訴え始める。
そのころ、三菱は日本の海運業を独占していたが、薩長藩閥の設立したライバル会社共同運輸と、社運をかけた熾烈な争いの真っ只中であった。

 弥太郎の病を進行させたかもしれない?ライバル、共同運輸について触れねばならない。

 明治11年(1878)、明治政府の最大の実力者・大久保利通が紀尾井坂にて暗殺される。
 その後継者に、肥後出身の大隈重信と長州出身の伊藤博文がいた。
このふたりは共に大久保に可愛がられたが、大久保死後は、激しいライバル関係となる。
明治14年、薩長藩閥政府が樹立、伊藤がその中心になり、大隈は参議職を罷免され、その一派は追放される。
 大隈に極端に肩入れしたと思われた三菱は、伊藤ら薩長藩閥から憎まれることとなる。
 つまり三菱は、伊藤と大久保の政権抗争に巻き込まれた。
政府は、三菱に、海運業を独占させておくのは得策でないと判断し、政府支援のライバル会社、共同運輸を創立。
 
 政府と企業の著しい癒着だが、当時の資本主義はまだ芽生えてまもなく、政府の支援なしでは会社はやっていけない。
 弥太郎率いる三菱は、政府の後押しを受ける共同運輸とビジネス上の死闘を繰り広げるのである。

 心労がたたったのか、明治17年8月、社長岩崎弥太郎は、胃痛と食欲不振に陥り、胃炎と診断される。
 9月にはめまい、昏倒し、大量の胃液を吐き、伊豆で療養した。
10月に東京に戻ったが、11月には、適塾、幕末の医学者ボートウィン、ベルリン大学で学んだ医師・池田謙斉によって胃がんと診断される。
既に弥太郎の胃は胃管下口が狭くなり、周囲には余命4ヶ月と告げられたが、本人には告げず。
 面会謝絶となり、東京の岩崎邸の一つであった現・六義園の屋敷に籠もる。
 三菱と、共同運輸が闘いは続行中、弥太郎は、会社からの報告を日に40回も六義園の病床に報告させている。
 激痛の中、共同運輸との戦いへの闘志は衰えず、作戦指示を出す。

 しかし、社会復帰することなく年を越し、
明治18年2月6日大量に胃液を吐き、
翌7日16時呼吸停止した。
しかし、医師達のカンフル注射(蘇生薬)で息を吹き返す。
18時、母と姉妹を大声で呼ぶ。たぶん、弟弥之助も来た。
 

岩崎弥太郎傳」にある遺言を、以下抜粋する。
「岩崎家は嫡流を重んじる家系なので、長男久弥に跡目を継がせ、弥之助は補佐し、小早川隆景の毛利輝元を補佐するようにせよ。
弥之助、わが事業を落とすことなかれ。・・・腹の中が裂けそうだ。もう何も言わん。」
 

午後18時30分、右手を空にかざし、医師団に一礼して、息絶えた。

弥太郎、赤ん坊の時は昼夜とわず、泣き喚き親を困らせたが、その活躍時期、最後に至るまで、周囲を圧倒する声と胆力の持ち主だった。
満足な治療もホスピスもなく、激痛に苦しみながら、岩崎家・三菱のこれからを指示し、
医師団に礼を言い、己の生涯の幕を下ろした。

三菱総帥の、見事すぎる最期である。

【2010.12.03 Friday 10:02】 author : いづな薫 
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この記事に関するコメント
今の日本に龍馬のような逸材が出てくれば良いですね。
| 太郎 | 2010/12/04 5:36 PM |
太郎さま

コメントいただき、ありがとうございます。
本当に、現代に龍馬が欲しいですね。
特に外交、笑。
| いづな薫 | 2010/12/04 5:40 PM |
7万にん−−−−−−−−−−−−−――――&#128064;スゲーお葬式だったらしい。お葬式にはすごい料理が出たらしい。
| tomura | 2018/12/14 5:57 PM |
tomura 様

コメントありがとうございます。
弥太郎の海運会社は、西南戦争でぼろもうけしましたからね。
盛大な葬式費用くらいどうってことなかったのでしょう。
| いづな薫 | 2018/12/14 7:35 PM |
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時事問題、歴史、環境、料理、欧州サッカー、野球、音楽、登山、茶道、語学、刀剣鑑賞。
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