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since 2007.5.21 坂の上の雲、感想 「日英同盟」 | 戦国カフェ
   
 
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坂の上の雲、感想 「日英同盟」
広瀬武夫とアリアズナ、秋山真之と広瀬、正岡子規と妹・律、戦争や病の試練にある、愛情、友情関係が見事に描かれ、
今年も秀作である。

広瀬とアリアズナの別れは、ロシア正教会の古めかしい建築、郷愁的なメロディと相まって、感極まる。
いずれ戦争になる、日露。帰国命令が下る広瀬。
互いに惹かれあいながら別れる、魅力的なふたりにブロックされた。
従姉妹のアリアズナを慕い、広瀬とは恋敵のボリスも、やがて、広瀬を尊敬し、友情を固める。
戦争になったら、祖国のために互いに戦う。でも、友情は一生涯のものだと言う、ボリスに涙した。

 冒頭、「日本は生糸でもうけた金で、軍艦を買うといい。」と言う、英国将官に対し、広瀬武夫が、
「生糸の利益ではなく、貧しい日本人が爪に火を点すようにして、貯めた金だ。」と、説明する。

さしたる産業もなく、生糸くらいしか外貨を稼ぐ手立てのない小国が、列強並みの軍備を揃えようとしたのだから、大変である。
日清戦争の翌年の軍事費は、国家予算の総歳出の48%に及んだ。
国民は、大変貧しく、広瀬がセリフで言う、「故郷の豊後竹田の人々は、冬も裸足」状態である。
もちろん都市部以外の他地域も、似たようなものである。
当時の日本は、資本主義の豊かさはごく一握りの人間達のためのものであり、多くの国民はその恩恵を知らない。
我慢を美徳とする、封建的観念だけが、いきわたっていた時代である。

広瀬の日本の実情の説明に対し、英国将官が、謝罪の礼を取っていた。
この将官と言い、ボリスと言い、そして秋山や、広瀬ら日本人の中に騎士道及び武士道がまだ生きている。
敵味方に分かれても、互いに崇敬の念を抱き、潔さを美とする精神が感じられた。
それでも、戦わねばならないのが、悲しい。

 残り少ない命を燃やすように、俳句と短歌の改革に情熱を傾ける正岡子規、彼の看護師、秘書となって支える、
妹・律も良い。

歴史話を補足。
 ロシアとの衝突を回避するため、伊藤博文は渡露、しかし、当てにしていた戦争回避派の大蔵大臣ウィッテ(大蔵大臣だが、外交に強い発言権を持っていた)は、皇帝から遠ざけられ、失敗
 伊藤博文は、”恐露家”である。
大国に飲み込まれようとする、小さな国の恐怖を、その若き日から、身をもって知っている。
彼は、長州藩出身である。
文久三年(1863年)長州が、下関を通過する外国船を攘夷のために砲撃している。
 伊藤は、井上聞多とともに、横浜から英国に留学のため密航した年である。
 彼らは、ロンドン留学中、ロンドンタイムズに長州藩が度々下関で外国船を砲撃している記事を目にする。
 そして、被害を受けた各国が長州に贖罪させようとしている。
 西洋の進んだ文明を目にした彼らは、攘夷の無謀さを良く知っており、藩論を攘夷から開国に説得するため、
伊藤と井上は帰国する。
 列強軍備の物理的破壊力の凄さ、幕府による第一次長州征伐と、伊藤博文は、長州藩存亡の危機を幾度も経験している。
 しかし、坂本龍馬が仲介者となり、薩長同盟が締結され、長州藩は起死回生、難局をかろうじて乗り切った。

伊藤にとって長州が、日本になったに過ぎない。
存亡の危機に瀕した小さな国は、かつて長州が薩摩と手を組んだように、同盟の相手国を模索する。それは、拒絶されたロシアではなく、英国だった。
これが、日英同盟である。
しかし、当時英国は世界でも最も進んだ先進国であり、矜持著しく高く、アジアの片田舎の日本と対等の同盟を
結ぶかどうかという疑問があった。
 そこで、伊藤博文の日露交渉の失敗が、思わぬ形で功を奏すことになる。
ロシアに近付こうとする伊藤博文に警戒し、英国の方から、日本に有利な条件で同盟を結んだのである。

伊藤博文、そしてそのうち書くかもしれないが、明治期最高の政治家と言われた小村寿太郎。
彼らの政治家としての、政策手腕、外交能力を大いに評価したいと思う。

出張で、今頃感想のいづなでした〜。


【2010.12.07 Tuesday 13:42】 author : いづな薫 
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 仕事(技術・研究系)と環境に優しい生活、家族を愛する普通の人。
時事問題、歴史、環境、料理、欧州サッカー、クラッシック、登山、茶道、語学、刀剣鑑賞。
かつてはドイツ黒い森地方に学究のため在住、今東京/Tokyo

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