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since 2007.5.21 坂の上の雲、感想 「子規、逝く」  | 戦国カフェ
   
 
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坂の上の雲、感想 「子規、逝く」 
 正岡子規の主治医・宮元仲は、子規の母八重と妹律の介護の様子に感嘆の言葉を残している。
以下、医師宮元の記録の律の様子である。

女中の役、細君の役、看護婦の役、朝から晩まで一刻の休みもない。

加えて、律は、俳人正岡子規の良きプロデューサーであったと私は感じる。
病床で動きの取れない兄・子規の視界に、草花を植え、楽しませる配慮をし、子規の句には妹を読んだものが多数存在する。

   餅切ると指切りし妹に胸さわぐ
  妹が庭や秋海棠とおしろいと


東京農業大学の子規庵の調査で、律が子規の病状の変化に合わせ作庭していったことが分かったと言う。
子規の闘病生活は足掛け7年に及んだが、後半の3年は、子規がますます身体を起こせなくなり、視界が狭められ、
庭に配置される植物も半分ほどに減ったという。
子規が寝たままでも見られる、へちま棚や、鳥かごが下げられたとのことである。

子規は激痛をモルヒネで緩和しながら、それらを題材に句を読み、絵に描き、美を探求する生命活動をやめない。
正岡子規と言う、偉大な俳人および美の探究者は、律に支えられていると言って良い。
句においては、子規がまだ病床にないうちから、律をテーマに句を読んでいる。
大事を為しえる人物と言うのは、偉大な協力者がいるものである。
それは同僚であり、同盟者であり、家族である。
政治においても、経済においても、時に孤高の世界・芸術においてもだ。

この兄と妹の不思議な関係は、”きょうだい”と言う枠組みだけでは説明しきれない。
律は、16と20歳の時結婚するが、それぞれ9ヶ月と10ヶ月で離婚してしまい、その後兄の介護に尽くした。
彼女は、兄没後40年生き、兄のそばに埋めて欲しいと遺言している。

さて、感想。
今回、2回涙しました。
1回目は、「兄さんは生きようとするんじゃ・・・。」と言う律と真之が、根津神社?で抱擁するシーン。
(このふたりが夫婦になればいいのに。)

2回目は、子規が亡くなり、律が泣くシーン。
坂の上の雲は、激動の歴史ともに、家族、友情の細やかな愛情が見せ場である。
始めの方で、秋山真之が母をおぶってお風呂に行く。この場面も良い。

一方、闘病中の子規が、包帯をしばる妹・律を、「木石のごとくなり。」と評す。
でも「律に病あるよりは、余に死あらんことを望む。」、とも言っている。
病に苦しみ、律と母を助けを求めて呼ぶ子規が、何ともかわいそうだ。
「戦で散る命と、病床で散る命、どっちもちっぽけな命。」と言う子規に対し、真之は「どっちもかけがえのない命だ。」と言う。
 その言葉を聞き、子規が流した一粒の涙が、陽に透けてなんとも美しい。
真之は、無指揮な指揮官は殺人者だと言っていた。
もちろん、軍人なので限界はある。しかし、命を大事に思う、真之の作戦哲学の根幹がそこにある。

兄が亡くなり、学生としての第二人生を踏み出した律。
彼女は、後に教員となる。
看護師であり秘書であり、彼女なくしては俳人正岡子規の作品はない。
悲しみを乗り越え、学問を志し、清々しく生きる律が、私はとても好きである。

【2010.12.12 Sunday 22:08】 author : いづな薫 
| 坂の上の雲 | comments(2) | trackbacks(0)|
この記事に関するコメント
はじめまして。
「坂の上の雲」の感想をあちこち見ていて
こちらに伺いました。
第7話、ほんとにじーんとくる
内容でしたね。
役者さんも美術の出来もほんとに
すごかったと思います!
| kei | 2010/12/13 11:13 PM |
keiさま

はじめまして、管理人のいづな薫です。

>「坂の上の雲」の感想をあちこち見ていて
こちらに伺いました。

多くのサイトの中から、お越し下さり感謝申し上げます!

>役者さんも美術の出来もほんとに
すごかったと思います!

 はい。やせた子規が本当に病のようで、大丈夫かなと心配しました。
子規庵の植木や、軒下から吊るした金魚のおもちゃなど、凝っていましたね。
 keiさま、ぜひまたお越しくださいね〜。
| いづな薫 | 2010/12/14 9:46 AM |
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 仕事(技術・研究系)と環境に優しい生活、家族を愛する普通の人。
時事問題、歴史、環境、料理、欧州サッカー、クラッシック、登山、茶道、語学、刀剣鑑賞。
かつてはドイツ黒い森地方に学究のため在住、今東京/Tokyo

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