大河ドラマ 龍馬伝 幕末 古代 上杉
since 2007.5.21 八重の桜「薩長の密約」 | 戦国カフェ
   
 
戦国特に上杉家、幕末、古代、歴史を愛する日記です。時事問題も多いです。
 
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八重の桜「薩長の密約」
アメリカ密航に成功し、新天地で学問を学べる新島七五三太(しめた・後の新島襄)の高揚した気持ちが出ていて良い。
いかほどばかりの喜びかと思う。
しかも、新島が行ったのは南北戦争から3ヵ月後の復興期のアメリカであり、日本は内戦真っ只中である。

さて、龍馬が背中しか出て来なかった「薩長同盟」の回である。

この時、薩摩から坂本竜馬の亀山社中を介して長州に渡された銃に、ミニエー銃がある。

ミニエー銃は、日本史を変えた銃である。

ミニエー銃と軍制改革のおかげで幕府軍10万人余に対し、農民を含む長州軍・数千人で勝ってしまった。

当時、アメリカの南北戦争後で大量に銃が余り、もしくはインド大乱でも同様の状況だった。
では、まだ使える銃をどこに売りつけるか。

武器商人たちが選んだのが、日本である。
当時日本には、50万挺もの銃が持ち込まれたという。

幕臣勝海舟は、著書「海軍歴史」の中で鉄砲買い付けのことを記している。
幕府も長崎で洋式銃や大砲の買い付けをしているが、薩摩藩が群を抜いている。

薩摩の五代才助(後の友厚)は、1864年藩命で長崎に行き、イギリス人トーマスグラバー仲介で、
新式銃エンフィールド銃を大量買い付けしている。
エンフィールド銃とは、イギリス製のミニエー銃を言う。ミニエーはフランス陸軍大尉ミニエーの創始によるもの。
そして、薩摩は長崎での武器取引の過半数を占めるほどのお得意様である。

長州の桂小五郎も、噂を聞きつけ、1865年伊藤俊輔(後の博文)と井上聞太を秘密裏に派遣。
なぜ秘密裏かと言うと、幕府を敵に回した長州との取引を幕命により禁じられている。
トーマスグラバーから、慶応元年には汽船とセットで4300挺(7万7千400両)、慶応二、三年には7000挺の
エンフィールド銃を薩摩名義で買ってもらう。
この銃購入と同時に、締結されたのが、薩長同盟である。

新式銃を大量に駆使した長州軍に、幕府軍は敗退。権威は大きく失墜する。

会津や東北諸藩も、新式銃を買い付けに走るが、西洋式と言うだけで性能の落ちるゲベール銃を購入した例も多い。
山本覚馬は長崎で高価なスペンサー銃を買い、妹・八重に贈ったが、1866年末藩命で買い付けたのは、
ドライゼ銃と言われるものである。撃針銃(Zuendnadelgewehr)とも。
語尾にゲベールと付くが、幕末日本で大量に出回っていた命中精度の低い俗に言うゲベールとは違う。
ゲベールはドイツ語やオランダ語で小銃の意味。
プロイセンは(大雑把に言うと昔のドイツ)、この銃でオーストリアに勝った。
発火装置部品撃針が細い針で、破損しやすい難点を持っていた。


覚馬がドイツ人商人に注文して、在庫300挺を受け取り残りはドイツから取り寄せとなった。
商品が届いたのは1869年、戊辰戦争は既に終わり、銃は新政府に押収された。
八重は会津戦争時、スペンサー銃で奮戦するが新式ゆえ弾丸製造が出来ず、ゲベール銃をも使用することになる。

ドラマで、
薩長が恩讐を乗り越え長州が新式銃買い付けに急ぐ一方、会津藩士や新選組が槍の立ち合いをしているのが、
それぞれの未来を暗示している。

諸藩を言うこと聞かせるために、皆に望まれて将軍になろうとする一橋慶喜が面白い。
味方の松平容保など譜代の前では、他国を排斥する勇ましいことを言い、政権を取ると、休戦に踏み出す。

現代の話である。
長州出身の安倍首相も似たようなことをやっているが、首相と違うのは、
慶喜は、これより薩長相手に政治の高騰戦術を展開して行く。
頭のいい”政治家”である。

【2013.04.15 Monday 19:45】 author : いづな薫 
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 仕事(技術・研究系)と環境に優しい生活、家族を愛する普通の人。
時事問題、歴史、環境、料理、欧州サッカー、クラッシック、登山、茶道、語学、刀剣鑑賞。
かつてはドイツ黒い森地方に学究のため在住、今東京/Tokyo

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