大河ドラマ 龍馬伝 幕末 古代 上杉
since 2007.5.21 「原発ホワイトアウト」 レビュー | 戦国カフェ
   
 
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「原発ホワイトアウト」 レビュー

悪い奴ばかり出て来る小説である。
原発問題の内部告発で、現実世界にそっくりである。
著者は、現役の官僚で覆面で書いている。
新崎県に、7基も並んでいる原発の再稼動問題についてストーリーは進む。
登場人物が、これまた現実の誰かに似ていて引き込まれる。

新崎県の伊豆田知事、俳優から参議院議員になって脱原発的考えを持つ山下次郎。
この2人は、まともな登場人物。
4代政治家が続く家系に生まれ、才能はないが中庸を重んじる首相も出て来る。
日本の首相なんて、記憶が少し保てれば良い程度の人物である。

主人公小島は、電力会社幹部で事故後傷ついた既得権益を取り戻すことに躍起になる。
サブキャラの日村、経産省エネルギー庁次長。これがまた絵に描いたような官僚で笑える。
日村は、”大衆(国民)を、金融工学の初歩「割引現在価値」ですら説明しても分からず、愚かで暇で
原始人より粗野で短絡的”とバカにしきっている。
東大法学部を出た自分たちが安い給料で官僚になったのだから、天下りは当たり前と考える。
最高学府を出た自分たちが世間からバッシングされ、IQと学歴の低い山下次郎議員が世論の支持をうけるのが、
がまんならないと言うような具合だ。
主人公もサブキャラの日村も、まったくもってくだらない人間である。
こんな人間に国民が給料を払っているのかと思うと、腹が立つがまあ先に進む。

新崎県の新崎原発再稼動は、最初電気が足りないと再稼動が必要とメディアや原発推進文化人が騒いでいたが、
いまや、電気が足りていることは国民の間に知れ渡っている。
再稼動を容認させるには、国民をどう脅せばいいか?
「円安で原油が高騰した!」と、脅すのである。
化石燃料自体の価格が下がっていることや、電力会社が標準価格の何倍もの値段で買い入れしていることは、
国民には一切知らせない。

新崎原発再稼動の障害は、脱原発派の国民、そして伊豆田新崎県知事と山下次郎議員である。
再稼動のために、これらを排除しなければならない。
国会前では大勢の一般の人のデモが続く。
公安が写真を撮り、デモ先導者を割り出す。
デモの後、家まで尾行し住所を確認する。
そして、ご近所に警察官が
「お隣の奥様が反原発デモに参加してます。ご存知ですか。誘われたことはありませんか?」とデモ映像を見せ、言いふらすのだ。

伊豆田知事は支持率が高く、清廉潔白、原発推進派にとっては牙城を崩しにくい。
どうやって「伊豆田知事に毒を盛るか?」」官僚小島は考える。
そして既に小島は、数年前、やはり原発再稼動懐疑的な別の県知事を無実の汚職事件で潰したことがある。
同じく官僚の日村も、東大法学部同期で検察庁に入ったのがいるから、それを使おうと考える。

山下議員は、脱原発派のカリスマ的存在である。
結局、山下次郎議員はデモ会場で混乱に乗じ現行犯逮捕、伊豆田知事も贈収賄罪で捕まる。
2人の罪は、もちろんでっち上げである。
電力会社は、マスコミを広告料で抱き込み、更にはフリージャーナリストを高給で雇い都合の良い記事を書かせる。

邪魔者は消し、心置きなく再稼動と言う運びになった。
しかし、安全対策はおざなりのまま。
アメリカや中国ですら、一箇所建設する原子炉は3基までである。
日本には、原子炉が7基も並んだ原発がある。

そして、雪国にある新崎原発に至っては除雪作業もおざなりだった。
テロ防止のために、原発作業員の身元確認も見送られる。
放射線量の高い危険な職場は、4次受け、5次受け〜作業員が担っている。
暴力団が日雇い労働者を集め、その内訳は元やくざ、リストラ、非合法ギャンブルの破綻者、薬物中毒者である。
人件費もピンハネできない上、身元確認、線量管理などあっては電力会社や原発作業員を派遣する会社が困るのだ。

正月休暇中に、大事件が起きる。
高圧送電線鉄塔倒壊である。それにつながる新崎原発にメルトダウンが起きたのである。
作業車は、雪に阻まれて近づけない。
除雪しなければならないが、大体民事契約で、放射能撒き散らす原発に除雪に行ってくれる業者などいない。

この本は、小説である。
小説と言う場を借りて、著者は国民に警告しているのか。
それとも、だまされ搾取されても気付かない国民を嘲笑っているのか。
ご興味のある方は、お読みになってみて下さい。

【2013.11.29 Friday 08:37】 author : いづな薫 
| 地震、原発 | comments(2) | trackbacks(0)|
この記事に関するコメント
柏崎刈羽原発の1号機から4号機は日立が、5号機から7号機は東芝が工事を請負ました。通勤時間は柏崎市の住民に迷惑や渋滞を避けるため、勤務時間が東芝が朝7時30分開始、日立が8時30分開始です。大抵の作業員は会社の大型バスで通勤・退勤します。ルートは頻繁に変更します。テロ対策ですね、ですから知らないとバスに乗れなくて、タクシーで来る慌て者もおります。入口には検問所があり、警備員が一人一人の通行証明カードを指差し呼称で確認します。機械でなく人間が確認するので少し心配です。普段は常時3,000人が原発で仕事してますが、阪神淡路大震災の耐震補強時は全国から13,000人が仕事していました。凄いですよ、お弁当屋さん、タクシー会社、旅館・ホテル、パチンコ屋、飲み屋、笑いが止まりません。東京電力様、様でんす。
| 串かつ | 2013/11/29 11:02 PM |
串かつ先生

コメント、興味深く拝見しました。ありがとうございます。
バスルートはテロ対策で頻繁変更ですか。
新潟県の泉田知事4も、テロ対策のことをよくお話になりますね。
普段の作業員プラス、阪神淡路大震災の耐震補強時には、13000人ですか。
定期検査でも、人が来て潤うと伺いました。
この地域は、原発特需ですね。
白血病ほかがん発生率が突出して高いのも、この地域ですよね。
北海道の泊(とまり)など原発立地地域の特質でもありますが。
| いづな薫 | 2013/11/30 8:30 AM |
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時事問題、歴史、環境、料理、サッカー日本代表、欧州サッカー、クラッシック、登山、茶道、語学。
かつてはドイツ黒い森地方に学究のため在住、今東京/Tokyo

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