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since 2007.5.21 パリ白熱教室 第1回「21世紀の資本」 格差はこうして生まれる | 戦国カフェ
   
 
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パリ白熱教室 第1回「21世紀の資本」 格差はこうして生まれる
面白い番組である。
以前、ハーバード大の哲学者、マイケル・サンデル教授の白熱教室を当ブログでも書いていた。
その、経済学版である。
講師は、トマ・ピケティ教授。フランス、パリ経済学校の初代校長。
左派労働運動の活動家を両親に持ち、専門である”経済的不平等”をわかりやすく論じている。
朝日新聞に載った紹介文では、現代のマルクス(私は違うと思う)、ロックスターのようなエコノミストと書いていた。

ピケティ理論の、興味深い点のひとつは数値による従来の経済分析に歴史と言う視点を加えたことである。
バルザックの19世紀を舞台にした小説を引き合いに出し、「一生懸命勉強して弁護士になり経済的に成功するより、金持ちの女を見つけて結婚した方がずっと裕福になれる。」
バルザック時代は、働いて稼ぐより遺産のある結婚相手を探す方が手っ取り早く金持ちになれる方法だと指摘している。
ピケティ氏は、こう言う時代がまた到来していることも告げている。

ピケティ氏は、イギリスやフランスその他の国の過去300年にわたる税分析を研究仲間と行って来たそうだ。
世界のいろいろな国の格差が、長い歴史の中でどう変動して来たかを追究している。
格差は、歴史上今に至るまで拡大し続けているとピケティ氏は結論付けている。

残念ながら、格差が歴史上縮むのは戦争期である。
戦争をやるからには、勝ちたいというのが人間の心理である。
兵士の士気を鼓舞するため、高額の補償金を用意する。
戦費調達のため、余裕のある一般国民に戦費公債を買わせそれに当てる。(日本も戦時中もれなくやっている。)
富裕層も、戦費のために増税に賛成する。
中・低所得層からは兵士が多く出征し、死ねば多額の遺族年金が下りる。
戦争で景気は大いに上がり、富裕層は高額税金を払い、中低所得層は遺族年金を手にして格差縮小する。
卒倒しそうな経済システムである。

でも、実際これで、第一次世界大戦〜第二次世界大戦の間の格差は縮小した。

現在、米国は志願制の軍隊であることは周知の通りである。
兵士になる人は、生活のためと言う人が多い。
裕福な家庭の子が多い、ハーバードの学生で兵隊に行った事がある人は、ほんのわずかしかいない。

人は生まれながらに格差がある。
裕福で、教育に沢山お金を出してもらえる親の子に生まれれば良い学校にも行きやすい。
良い学校に行けば、収入の良い仕事に就き、志願制なら兵隊に行くこともない。

さて、現在は米国や日本その他で能力や努力して成功を収めた人が高い報酬や社会的地位を得るのは当然だという考えがある。
彼らは、高い報酬+資産を雪だるま式に増やして行く。
報酬の額さえ、自分で決める立場にあるから、一般の人々との格差は広がるばかりである。
そして、富裕層の親から子へ富が移行し格差は固定する。

ピケティは、中・低所得家庭も教育と仕事を得るためのスキルを学べるようにすることが格差是正方法のひとつだと述べている。
欧州の大学授業料は、タダか極めて低額だが、日本の場合、高額な上給付型奨学金がない。
大学を出たら、700〜800万円の借金があるのに年収200万程度非正規の仕事しか就けないと言うこともある。

ピケティは触れていないが、日本の場合、同じ労働していても正規か非正規社員かで対価が違う。
非正規雇用の象徴でもある派遣社員。
かつて、日本の派遣法では派遣社員は、3年経過した後も雇用する場合は正社員にしなければならないと規定されていた。
これが、3年たったら別の派遣社員に取り替えれば良いと改悪された。

残業代も払わなくて良いと、改悪されている。
今は、該当者は年収1075万以上だが、400万ぐらいまで降りて来ると思う。
安倍政権の、労働政策は驚くばかりである。
正規、非正規の他にも男女、都会と地方格差・・・etcがあり、よく暴動が起きないと思う。
アベノミクス&トリクルダウンで、超富裕層を潤しておけば、いずれ庶民に恩恵が来る、安倍の言うことを信じて選挙で自民を勝たせる。
従順無知な国民がなんと多いことか。

貧富の格差では日本より米国の方が大きいが、日本は少子高齢化の速度がとても速い。
経済も低成長である。
低成長と言うことは、当然給料の伸びは悪い。
子供が沢山いれば、相続によって富は分散するが、少子化で富裕層の資産は少ない子供に相続され分散しない。

ピケティ氏に話を戻す。
ピケティ氏は、世界の国々が情報公開し、タックスヘイブン(租税回避地)を防ぎ、多国籍企業への課税が重要だと述べている。
資産を世界規模で把握しないといけないと。
防止する措置も取られているという。
今まで、世界的に富を蓄え、秘密を守って来たスイス銀行が情報開示に応じ始めたと言う。

現在、税制は国境で区切られている。
しかし、資産は国境をどんどん越え税金の安い地にどんどん蓄えられる。

手を打たない限り、格差は拡大し続ける。
不条理な格差の、是正方法をピケティ氏から学ぶつもりでいる。

次回放送は、1月16日23:00〜Eテレ。

【2015.01.11 Sunday 21:23】 author : いづな薫 
| 白熱教室 | comments(2) | trackbacks(0)|
この記事に関するコメント
いづな様、ご無沙汰です〜
 ピケティー翻訳書、ようやく日本でも出版され私も700頁の大著を毎日読んでいます。(よくこんな大著がベストセラーなりました)
 でも、やっと出たかという感じです。世界を包んでいる格差問題へのカウンターパンチとでも言うのでしょうか、ピケティー氏は出るべくして出たと言っても良いでしょう。

 実は日本のメディアではほとんど報じられませんが、「タックス・ヘイブン」(租税回避地)問題は世界では深刻な問題として捉えられています。日本でも例外ではありません。いわゆるタックスヘイブン地に子会社をつくり税金逃れをするというものですが、有名なのがイギリスのシティ・オブ・ロンドン、そしてケイマン諸島が有名です。ケイマン諸島は、佐渡島の3分の1しかない島なのに、なんと6万社も登記されているという異常な島でもあります。
 世界の多国籍大企業、アップル・スターバックス・グーグル・マイクロソフト社すべてタックスヘイブンを利用しています。特に問題となったスタバは14年間納税義務を免れてましたが、イギリス市民が店舗前に座り込んで「私はスタバよりたくさん納税した!」とニュースにもなりました。
 アメリカのトップ大企業のほぼすべてがタックスヘイブンに子会社を所有しており、その保有額はなんと1,2兆ドルにも達しています。で、日本の企業はどうかといいますと、これも国内ではほとんど報道されませんが、東証上場企業50社中45社がタックスヘイブンに子会社を持っています。ケイマン諸島だけに限っても、日本の投資残高はなんと55兆円にのぼり、アメリカに次いで世界第2位なのです!(この税額が未納ということですよ!)
名を連ねている日本企業名は伏せますが、みなさんよくご存じの有名企業ばかりです。金融・商社やもちろん個人もあります。
 安部政権がトリクルダウンで、大企業&富裕層からこぼれる利益で景気回復などは、幻想はなはだしいです。絶対ありえません。


 ピケティーが指摘している現代の格差問題は、19世紀のものとは「格差の質」が変容していると言っていることがわかりますよね。それで安部政権は唐突に、法人税を引き下げるなどと方針を出してきましたが、いわゆる大企業を海外のタックスヘイブンへの流出を防ぐのがねらいですが、まず難しいでしょう。
 今回のフランスのイスラム国系テロ事件もそうですが、本質はイスラム教にあるのではなく、移民問題や深刻な格差問題に根っこがあり、そのはけ口として不満を発散しているのが真実です。
 現在のイギリスの富裕層上位1,000人の資産が、イギリスのGDPの3分の1を占めるといわれています。格差はスパイラルになってきています。

 社会の所得格差・不平等さを測る指標「ジニ係数」をご存じでしょうか?これは0から1までの範囲の中で、0に近いほど平等で1に近いほど不平等であるという係数です。0.4に達すると国内で騒乱・暴動が起きるレッドラインといわれています。
 現在、アメリカが0,378となっておりかなり格差が大きくなっています。ドイツは0,295。そして日本は0,329となっており徐々に格差が広がってきています。ちなみに、中国は0.61と推定され(中国自体が公表していない)とんでもない異常な数値となっています。

 結論からいうと、ピケティーは根本的な格差解消のためには全世界における「グローバル課税」を提唱しています。先述したタックスヘブン対策でもありますが、彼を批判する方々は「マルクスの再来だ」と揶揄していますが、マルクスとは全く論拠が異なります。私も、ピケティーはマルクスとはロジックが全く違うと思います。

 長くなりまして恐縮ですが、最後に補足です。実は、昨年5月に国家公務員と国会議員の給与が8%もアップしていたのをご存知でしたか?国会議員においては、月額分26万円もアップ、年間421万円もの引き上げでした。しかしほとんどのメディアでこの件は報道されませんでした。引き上げ理由は、震災復興時限立法2年間が経過したからというもの。
 これからますます、日本でも格差が拡大の一途を辿ることは必至です。ピケティーの精神を生かすも殺すも国民一人ひとりにかかっています。
                          義太郎

 
| 義太郎 | 2015/01/16 7:26 PM |
義太郎様

なが〜いコメントお疲れ様です。笑
ありがとうございます。
上杉会の皆様とは、精神を共有しているため久しぶりと言う感じがいたしません。笑

当ブログでも以前、タックスヘイブン登記企業の実名を上げ、商品不買を呼びかけたことがあります。
読者さまたちから、反響ありましたよ。もう買わないって。
義太郎さまご存知の通り、私も以前は禁煙のスタバが好きでしたが今は参りません。

お金は国境を越えてどんどん出て行くのに、税制が国境でくくられるのが無理があるのです。
例えば、感染症だって、犯罪組織、歴史もそうです。
感染症は、国境なんて関係なくどんどん伝染します。
歴史学や歴史解釈も、数十年前までは国ごと地域ごとにくくっていましたが、多くの別の国の影響を多大に受けながら歴史は存在します。
国ごとにくくると、恣意的な解釈になり紛争の元にもなります。
犯罪組織に関しては、もう国境なんて意味をなしません。
人身売買、臓器売買、武器や麻薬密輸、海賊にいたるまでなんでもありです。

民間同士のつながりが出来、且つ大きな組織になって行くのが現代の特徴なのです。
国家だけではどうにもなりません。
地球規模の税務署、査察官、警察が必要ですね。

それなのに、日本が今、日本だけを褒め非常に内へ内へと籠もろうとしてしています。
独りよがりな解釈から生まれる、偏狭なナショナリズムがより日本を世界で孤立させています。

トリクルダウンで下層におこぼれが来る、と言う安倍政権の主張(新自由主義の発想)実体はないんですけれどね。
安倍政権は、嘘をあたかも真実のように見せるのだけは上手です。

>ピケティーが指摘している現代の格差問題は、19世紀のものとは「格差の質」が変容していると言っていることがわかりますよね。

ここ30年くらいの格差の特徴は、業績主義を誇大主張することですね。
pay for luckなのか、経営能力なのか判断がつきませんけれど。

日本のメデイァでも、子供の貧困や男女格差問題でジニ数を見かけます。

>今回のフランスのイスラム国系テロ事件もそうですが、本質はイスラム教にあるのではなく、移民問題や深刻な格差問題に根っこがあり、そのはけ口として不満を発散しているのが真実です。

不満の捌け口は、真実の対象者でなくてもいいですから。
日本の隣国叩きもそうですね。
事件後、シャルリ特別号で、求職中のジハーディストがスーパーの警備はどう?と提示されたり、イスラム衣装の女性が胸や下半身が出ていたり、表現の自由を疑問視する描写があります。
人間の信ずるものを尊厳を揶揄するのはルール違反です。
更に、オランド大統領が空母シャルル・ドゴールをイスラム国への空爆に向かわせると表明したのも明らかに便乗です。
| いづな薫 | 2015/01/17 5:10 PM |
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