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since 2007.5.21 パリ白熱教室 第5回 世襲型資本主義の復活〜19世紀の格差社会に逆戻り〜 | 戦国カフェ
   
 
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パリ白熱教室 第5回 世襲型資本主義の復活〜19世紀の格差社会に逆戻り〜
金もコネも優秀な家庭教師もいたが、志望校には入れずエスカレーター式の学校に入り、大学に入ったら入ったで、親に買ってもらったイタリア製高級車アルファロメオで通学。
20〜30代はニート歴13年。
それでも、その後、地盤看板かばんで国会議員に初当選、首相までやっている。
努力も才能も皆無だが資産があり、資産が勝手に増えて行く。
こんな人間、もちろん日本だけの話ではない。

格差を是正しないと大変なことになる。
そう主張する、ピケティ教授のお話。

フランスでは、フランス革命が相続税を生み出すきっかけになった。
革命直後、1800年頃から膨大な税制データがフランスにある。
1910〜20年、国民所得の20〜25%にあたる巨額の資産が相続されている。
これは、第一次世界大戦の頃である。
1950年、第二次世界大戦直後は相続資産はほとんどない。
その後、再び増加傾向にある。

昔は、被相続人は60歳くらいで亡くなり、相続人の年齢は30歳くらいが多い。
今は、被相続人が80〜90歳で、相続人は50歳くらいである。
相続が遅くなると、その間の人生設計を自分で賄わなければならない。

今は、生前贈与が増えている。
生前贈与する人は、死亡する10〜15年前くらいにする人も多い。
そして多いのが、子供が結婚した時に、お金を出したり家を建てあげたりする贈与である。
19世紀の生前贈与でも、男女とも結婚持参金となった。

2010年80歳以上の人達の資産は、資産の半分を生前贈与した後でも、50〜59歳の資産に比べ134%もある。
生前贈与分を入れると、軽く200%を超える。

今、何も相続せず自力で都市部に家を買うのは大変である。
相続資産の価値が再び増して来たのである。

総資産に対する、相続資産の占有率を見てみる。
19世紀は、90%。
1970年は45%。
2010年は70%に迫る。
第一次ベビーブームの人が亡くなると、相続資産はかなりの額になる。
現代でも、数十万〜百万ユーロ相続する人は沢山いる。
でも、仕事を辞めるほどのお金ではない。
19世紀には、仕事をしなくていいほどの相続資産があった。

1910〜40年生まれ、第一世界大戦後で受け継ぐ資産ほとんどなし
良い大学に入り、最上位1%の職に就くのが良いとされた。

下位50%の、生涯労働所得以上の遺産を相続する人々がいる。
例えば、店のレジ係の生涯賃金が80万ユーロだとする。
この人たちの、50年分賃金以上の相続する人々の割合である。
19世紀生まれは、10%いた。
1910年は2%。
1980年生まれは、10〜12%それでも数百万人いる。

100万ユーロ相続する人は、仕事を辞められるほどではない。
何も相続しない人よりも、良い大学に行き稼ぎの良い仕事に就く
下位50%が生涯稼ぎ出す金額、またはそれ以上を相続によって受け取る。
これは、不平等は、能力の差に基づくものであると言う戦後の通念に反する。

日本やドイツ、中国など人口減少が起きている国では、2030年には相続するかしないかが大変重要になる。
上海や北京では、不動産相続することが非常に重要になっている
不動産価格が高騰し、自分の稼ぎしかない人にとっては都心で不動産を持つのはとても難しい。

年金資産が潤沢な主要先進国は、総資産も多く海外投資さえしている。
年金制度を維持する負担額が少ない国では、老後に資産を取り崩さねばやっていけない。
(日本でも、高齢者の資産取り崩しで貯蓄率マイナスの時代が始まっている。)

ピケティ教授の重要な主張

r資本収益率>g経済成長率 ←これが不平等をもたらす要因。

富裕層は、潤沢な”資本”を高度な金融商品に投資し、社会全体の”経済成長率”よりも大きな伸びを示す。
その率まさに3倍である。

経済成長率は、人口増加率で説明できる。
米国は、人口増加率1%、欧州はゼロ、日本はマイナスである。

人口増加はとても重要な要素である。

1987年、雑誌フォーブスの億万長者番付で多くは日本人であった
今は、米かメキシコ、中国人が多い。
毀誉褒貶はあるが、上位層の流動性は高くない。
たたき上げの企業家もいるが、相続による企業家も沢山いる。
天然資源や石油富豪も沢山いる。
新しいアイディアを生んだわけでもなく、資産を相続し勝手に増えただけである。
上位層の資産は3倍で膨らむ。

資産膨張の理由をフォーブスは上げていないので、ピケティ氏は米国の大学の基金収益率を挙げる。
全米の大学平均では、8.2%である。

ハーバード
イエール
プリンストン

この3校の平均は、10.2%と一段と高い。
インフレ分を除き、管理コストを差し引いても
これほどの率である。
私たちが銀行に行き、同じ金利を要求しても相手にされない。

米大学は、利回りの低い米国債を買うことはない。
サウジアラビア、中国がせっせと買い日本も米国債を大量保有している。
ハーバードは、1ドル足りとも買わない。何十年もそうだ。
とても、悪い投資先だからだ。
買うのは、複雑な金融商品(店頭デリバティブなど)、プライベートエクィティ(未公開株)などである。
ハーバード大の基金規模を300〜400億ドルだとすると、0.3%(1億ドル)を管理コストとして使う。
資産管理グループに、1億ドル払っても10.2%の収益率なら高くない。
1億ドルしかなかったら、1億ドルのマネージメント料を払うことは出来ない。
投資は、”規模の効果”が大事である。
ハーバード、イエール大はここ20年で資産を10倍に増やしている
個人資産でも、自分で事業を起こして豊かになる人がいる。
ある程度資産あれば、働かなくても極めて高い利回りで資産を増やす。

来週はいよいよ最終回です。

【2015.02.07 Saturday 20:52】 author : いづな薫 
| 白熱教室 | comments(2) | trackbacks(0)|
この記事に関するコメント
あのブッタが生涯忘れる事の出来ない出来事。ゴーダマが出家して間もない頃、飢えをしのぐため、慣れない托鉢にでかけました。今まで人に頭など下げた事がないわけですから。そこで一軒の粗末な家の前に立ってしまったんです。中を見ると父親らしき男がムシロの上に横たわっている、長い間病気なのだろう。その前で五人ほどの子供が車座になって土間にじかに座っている。髪を荒らした母親らしき女が、子供たちにわずかばかりの粥を配っていた。一見して、家の生活がわかった。ゴーダマはここに立ってはいけないと、立ち去ろうとしたとき、「誰かきたー」と子供が叫んだ。母親らしき女はゴーダマの前に進み、自分の分として残したわずかな粥だが、よかったら食べて欲しいと差し出したのである。服は垢でよごれ、日焼けした顔には生活苦がにじみでていたが、眼だけは、美しく、澄んでいた。ゴーダマは気持ちだけで十分ですと言ったが、女は顔を横にふり、一口でいいから食べて欲しいと願うのでした。ゴーダマ・ブッタは、自分の身を削っても差し出す女の気持ちに、家の中の生活も、病人も、子供たちの姿も、涙で目にはいらなかった。一口二口、指でつまんで口にした。彼女の顔がほころんだ。ゴーダマも微笑した。心の通った布施は、人の心を感動させる。新しい勇気を起こさせる。邪心を払い、生まれたばかりの、赤子のような心にたち帰させる。
| 串かつ | 2015/02/08 7:56 PM |
串かつ先生

コメントありがとうございます。
心のこもったお布施のやり取りですね。
この場合はおかゆですが、この家族にとってはとても大切な生活の糧です。
お金を伴う経済活動は、義も心も伴わないものがあふれています。
ピケティ氏の記事でも多く書いていますが、今ある格差を放置すると
経済成長は益々鈍り、経済自体が立ち行かなくなります。
すでに日本は人口増加率がマイナスです。
経済成長率は、人口増加率で説明できるので、この先日本が大きな経済成長を見せることは
はなはだ難しいでしょう。
1%の富裕層は益々豊かに、下位50%は益々困窮して行くことになります。
多くの方が、この格差問題、経済問題について他人任せにせず考えて頂きたいと思います。
| いづな薫 | 2015/02/09 3:21 PM |
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 仕事(技術・研究系)と人と環境に優しい生活を愛する普通の人。
時事問題、歴史、環境、料理、欧州サッカー、野球、音楽、登山、茶道、語学、刀剣鑑賞。
かつてはドイツ黒い森地方に学究のため在住→東京→Toronto

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